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初雪とか、雪の便りを聞いていてもたってもいられなくなって。
携帯でぽちぽちしました。

お暇な方はさらっと読み流してね!







 *****
ふゆのいりぐち







立冬をすぎ、空気も冬の匂いを色濃くしてきた。
早朝と、夕方を過ぎる頃には寒いと感じる気温にもなってきた。
そうしているうちに吐き出す息が白くなり、空からは白い結晶が舞うように降りてくる季節になる。

花井は冬があまり得意ではなかった。
春の穏やかな季節に生まれたせいとは思ってはいないのだが、寒さが少し苦手だと感じる。
幸い大雪が積もる土地ではないので、嫌だと思うことはあまりないが、どうも苦手。
客観的に見る雪は美しいし、降り頻る結晶も嫌いではなく好きな方だ。
ウインタースポーツも見ている分にはかなり気持ちが良く爽快。

しかし雪が降れば少なからず交通が麻痺したり、氷が張れば通学にだって支障がでたりもする。
滑って転んで痣をつくったこともあった。
それと練習が室内ばかりになるのは仕方がないことで、嫌ではないが、やはり外でおおきく体を動かしたいと思うのは当然で。
それでも雪が降ったって野球はできるし、強豪校だっていっぱいある。文句は口にしない。

とりま実生活に置いてあまりいい記憶がないのが、好まない要因か。
だから早くに降雪を望むとかっていう思いは無に等しい…はず、だったのだが。






「はないー!きのうほっかいどー初雪だったんだってー!」

抱きつく勢いで飛び付いてきたのは我が野球部の頼れる四番。
ただ野球以外に置いては、どきどき本当に同級生かも疑わしくなるくらいの幼いチームメイト。
北海道くらい漢字使え、てゆうか北海道言っても広いんだ、初雪が降る時期も地域差激しいだろーが。

「ニュースでさ!ふわふわって、優しくいっぱいふってんの!ちょーキレイだった!」

夜のニュースだろう、確かにそんな話題を耳にした。
しかしテレビを見ていたわけではなかったので詳しくはわからない。北の方はもうそんな時期なのか、と思っただけ。

「ここもあんなふーに雪降ればいいのになー!そしたら雪合戦しほーだいだし、かき氷食いほーだいだろ?」

きらきらした表情で、それはもう眩しい田島の笑顔。
夏でもないのに目を細めてしまうほど。
ああ、可愛いな…と思ったが、発せられた言葉に違和感を感じて思いとどまる。

「お前、かき氷って腹壊すだろーが!」

雪は空中の不純物に水分が付着して凍ったもので、決しておいしいものじゃないんだぞ。
まあ確かに憧れ的なものはあるけども、普通はしないだろ!
この予測不可能な生物は今日も今日とてまったく何を言い出すのやら。

「えっ!花井、雪でかき氷したことないの!?」

おれなんかシロップ持ってきちゃうもんね!かーさんやばーちゃんには内緒だけど!花井とおんなじーこと言って怒るから!
自分の言うことが当たり前かのように、それは驚いた表情で花井を見つめる。

「フツーしねェよ!」

「んじゃ今年雪いっぱい降ったらデビューしような!」

雪のかき氷!

「は…?」

「楽しみ!花井とふたりでかき氷!」

有無を言わせない田島の勢いに呆けていたら、ぎゅっと手を握られた。

「指切りしよ!ゲンミツに約束!」

絶対一緒にかき氷したいから、小指だけじゃなくて全部の指で指切りゲンマンしよう!と、両手の指を絡ませてくる。
自分のものよりも一回りか二回りも小さく感じる田島の手指。
それでもぎゅっと握られた手はあたたかく力づよい。
そして笑顔で指切りげんまん、と歌う田島はまだまだ幼く可愛い。

ほっぺたもなんだか赤くって、ちくしょ、嫌だとか言えねーだろ。

俺の意見は無視かよ、というよりは、俺が断るって選択肢が田島ン中にはないんだろーな。



「…それじゃ、ちゃんとウマイかき氷作ってくれよ」

その手を包み込むように握り返してちょっとだけ引き寄せてみると、びっくりした表情の田島が見上げてきた。

「……!!!」

「じゃねぇと食わねーからな」



雪を食うとか有り得ないんだけど、田島とならいいかな、って思ってしまった自分は相当毒されてる。
田島のかき氷話を聞く前まで、早くに雪を望むとか全く思ってなかったのに今はどうだろう。
雪を楽しみにしはじめた自分がいる。
いや、まだ、雪のかき氷は抵抗あるんだけど。

田島がこんなに楽しみにしてるならー…とか。


あーもうそんな笑顔されたらたまんねーだろーが!



くそ、今年は大雪でもいい。
でも短期間で。
(さすがに長期間大雪は勘弁だけども…)





おわり。



花井が冬嫌い気味とか捏造してスイマセン^^;
あと、田島なら雪かき氷してくれそうとか…腹壊すなよ←


さて、さすがの私も雪でかき氷はしたことないですけども。
…食べはしましたけども←
新雪ふっかふかのゲレンデの頂上なんかだと、思わず食べたくなりますけども…
すいません。食べます←
てゆーか、新雪ダイブしたら口に入るしネ!←イイワケ。
真似しちゃだめよ!おいしくないしね。←なら何故食べる。






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2011年7月に突然ハナタジに心臓を打ち抜かれた良い歳こいた隠れ腐女子(既婚やし、女子と言っていい年齢かどうかも不明だが…)です。おお振り初心者マークを貼っつけながらもまったりがんばります。
20120321HN変更。
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